_ 2003年X月30日 将軍は平壌空港で天皇と首相を出迎えた。空港から平壌市内への沿道は百万人の人で埋め尽された。車の隊列は万寿台にある故金日成主席の銅像の前で止まった。下車した一向は長い石段を銅像の下まで登った。
_ 銅像の前に立った将軍と天皇と首相を数千の人々が固唾を呑んで見守った。将軍は天皇に言った。「この銅像の前で土下座して、秀吉以来の日本人の朝鮮人に対する罪をわびてください」
_ 天皇はこれには答えず、銅像の彼方の雲の峰の先に日輪をさがすかのごとく目を向けた。そして、静かにひざをついた。
_ 首相は天皇に駆け寄ろうとしたが、屈強な衛士に阻止された。
_ (続く)