_ 昨日の初公判の際の堀江の服装は紺のスーツに青いネクタイだったそうである。T-シャツ姿を期待した人にとっては残念なことだった。
_ 昔福岡で司法修習生として修習していたとき、福岡高裁長官のお話を聞く会があった。その後質疑応答があったが、真面目な質問が続くなか私は「何故裁判官はカラーシャツを着ないのですか」と聞いた。どんな返事が返ってきたかは覚えていないが、後に検事なった修習生が「勇気があるな」と言ったのは覚えている。別に勇気があったわけではなく、自分は裁判官になるつもりがなかったから勝手なことが言えただけだ。
_ あれから30年経って、私は法廷に行くときは白には限らないが地味な色のシャツを着ていく。普段は赤や黒のシャツも着るが裁判所には着て行かない。服装で裁判に負けてはかなわないと思うようになったので、迎合である。少しは大人になったというか、つまらない人間になったというか。
_ 堀江は今度の裁判で勝つかもしれないが、一つの時代を作ったT-シャツの堀江は死んだのだ。